「くっ…」
愛萍と別れた後、俺は陰界へと飛ばされた。
──苦痛。
苦悶──
そんな中だった。
第参話 声
『──ですよ。こっちですよ。』
女の声。
愛萍?
いや、彼女でもない。
聴いた事もない女の声が俺の脳内に響く。
「誰だ?どこにいる?」
『貴方の手の中に…』
「何?!」
俺の手の中。
愛萍から貰ったあの──黄龍石。
まさか!?
『香港最高風水会議より使わされました──黄竜(ホァン・ロン)です。以後お見知りおきを。』
「何故お前はこうしている?」
『これから貴方が行く陰界は、一筋縄でいける場所ではありません…それゆえに私が僭越ながらナビを務めさせて頂きます。』
「…まぁいい。後どれくらいで着く?」
『どのくらいでしょうか…今は取りあえずお休みなさい…』
反論する気も失せている俺は、素直に目を閉じた。
そして、気付くと俺は嫌な空気の中、路地の上に立っていた。
──もちろん、手の中にあの石はあった。