俺の名は竜零(ロン・リン)
ここ九龍で建築コンサルタントをしている。
──表向きは
第零話 午前二時、安龍飯店
超級風水師。
それが俺の本当の姿。
世界には「気脈」ってものがある。
それを司っているのが俺たち超級風水師ってわけだ。
尤も、実社会で生活する際には俺のように建築コンサルタントをやったり、占い師になったりしている。
今日は非番。
惰眠を貪り、のそのそと玄関の郵便受けを開ける。
ばさばさと、封筒やら手紙やらが落ちてくる。
「やれやれ…そういえばここ最近開けてなかったしな…」
中身は大体予想が付く。
「…予想通り。」
ダイレクトメール、建築に関わった家からの感謝状。家賃の支払期日──
俺はフゥ、と息をつくと手紙の束を部屋の中に持ち込んだ。
「仕事の依頼書…ねえかな…」
その時だった。
俺の目にあの古ぼけた封筒が入ったのは。
「…何だこりゃ?」
『竜零』
表はこの文字だけ。裏返しても何も書いてない。
おかしい、とは思ったが封を開けてみる。
『安龍飯店に、午前二時 香港最高風水会議』
この手紙が、俺を永遠にも近い一日へとつなげる事を、俺はまだ知らない…